まだ、ディジタル回路さえ満足に判っていなかった高校生の終わり頃、
大学受験(第１回共通一次試験！)のため初めて旭川市に行った帰りに購入したのが、
松本吉彦氏の書いた「私だけのマイコン・設計&製作」でした。
以降、8bitCPUである「6800」を使用し、約8年かけてマイコンを組立てました。

◆ユニット正面
上段の16個のスイッチはアドレス設定用、右下の8個のスイッチはデータ設定用スイッチ。
左下側の制御スイッチは左から
(1)POWER (白)
(2)RESET (黒:跳ね返り)
(3)STEP (黒:跳ね返り)
(4)HALT/RUN (赤)
(5)STORE (黒:跳ね返り)
(6)NMI (黒:跳ね返り)

HALT状態に設定すると、CPUがバスを切り離します。
この時、正面パネルのアドレス・スイッチで指定したアドレスのメモリまたはレジスタの内容が
8bitのLEDに表示されます。また、このとき、STOREスイッチを押すと、8bitのデータ・スイッチ
で指定したデータがアドレス・スイッチで指定したアドレスに書き込まれます。

◆ユニット裏面
基板はスロット構成で、44ピンのコネクタを使用し、バスはほぼ
6800の信号が直接接続されていました。
写真右側に横向きに取り付けられた電源トランスがありますが、
確か50Hzを波形整形・分周して10Hzのタイマーとして使用しました。
タイマーは時間を計測するとともに、マルチ・タスクのタスク切換えに使用しました。
当初、50Hz(20ms)で割込みを入れようと考えていましたが、タスクの切換えに40ms位かかる
ことが判明し、(^o^;; 急きょ、10Hz(100ms)の割込みに変更した記憶があります。

◆ブロック図

◆ソフトウェア構成
全く、ツールがない状態から開発を始めたので、プログラムは全てハンド・アセンブルでした。(゜_゜;;
おかげで、今でも、筆算なら16進数の加減算が苦になりません。(^_^;
それでも、プログラミングが面白くてしかたがなく、明けても暮れてもプログラムのことを
考えていた時期がありました。

• マルチ・タスク・モニター
  最大、16個のタスクを実行出来ました。
  タスクの優先度は4段階で、タスクNO.により固定です。
  最優度の高いほうから、1、1、3、10個のタスクが割付られています。
  同一優先度のタスクは、ラウンド・ロビンです。
  タスクの同期化、イベント待ち、時間待ちなどの機能がありました。
  
• VRAMインタフェース
  VRAMの表示制御を行うユーティリティです。8bitのASCII文字しか扱えません。
  また、制御文字は、改行、バック・スペース、画面消去くらいでした。
  画面分割機能がありました。テキスト画面を上下に分割して使用します。
  最大、15の画面に分割出来ました。と、言ってもVRAMは29行しか
  表示出来ないので、15分割すると、ひとつの画面は、
  たった1行になってしまいます。(^_^;
  画面分割は、マルチ・タスク機能を有効に使うために作成した機能でした。
  分割を行うと、まずモニター・プログラムが起動するようにしていました。
  
• モニター
  モニター・プログラムはメモリの内容の参照や更新、プログラムの実行、
  ブレーク・ポイントの設定・解除などを行う制御プログラムです。
  「私だけのマイコン・設計&製作」に掲載されていたモニター・プログラムを
  かなり拡張しました。とくに、ソフトウェアのみで実現したステップ実行
  プログラムは重宝しました。ROMのプログラムでも、RAM上にコピーを
  生成してステップ実行出来ました。
  
• FORTH
  ディスクないので、キーボードから入力したソース・プログラムを
  順次コンパイルする機能しか使用できませんでしたが、
  一応、マルチ・タスクで動作しました。
  
(2009/05/16)


---

Copyright (C)2009 Masahiro.Matsuda(JH8CHU), all rights reserved.